AGAとは?薄毛治療の種類と効果のある治療方法、治療の流れ解説

AGAとは?

 

成人男性の薄毛で最も多い原因がAGA(男性型脱毛症)です。近年では女性も薄毛に悩む方が増えており、これまで男性のための治療が主流でしたが、女性専用AGAクリニックも開設されるなど男女問わずAGAに悩む方が増えています。

AGAのメカニズムや進行段階、治療法、効果、期間、費用、メリット・デメリット、よくある質問まで、専門的な視点で詳しく解説します。

AGAが発症する原因とメカニズム

AGA(Androgenetic Alopecia)は、男性ホルモン(テストステロン)が酵素5αリダクターゼにより変換されることで生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が原因です。DHTが毛髪の成長期を短縮させ、毛包をミニチュア化させることで、髪の毛が細く短くなり、やがて抜け落ちやすくなります。

この原因は、遺伝的要素も強く影響します。父母どちらの遺伝子も関わる多因子遺伝疾患であり、DNA発現の差から生じるエピジェネティクスも影響しているとされています。さらに、生活習慣や環境も発症に関与するとされています。

男性型脱毛症(AGA)の進行について

AGAの進行段階は、ノーウッド・ハミルトン分類によってⅠ型からⅦ型まで段階分けされ、進行パターンからAGAの進行度が判断されます。

  • Ⅳ型以降:前頭部と頭頂部に脱毛が進行し、U字型やM字型などの進行が見られます。
  • 早期に進行が始めれば重度に至る傾向が強く、一方ゆっくり進行するケースもあります。

気づきにくい初期段階では、生え際後退、抜け毛の増加、細毛化、家族歴などをセルフチェックすることが有効です。

AGA薄毛治療の方法と期待される効果

AGA治療は主に以下の4種類があります:

AGA治療の4つの方法

● 内服薬(フィナステリド/デュタステリド)

DHT生成を抑制して抜け毛を防ぎ、ヘアサイクル正常化を促します。効果は半年〜1年で感じられるケースが多く、副作用は性機能関連が報告されます。

フィナステリドとデュタステリドは多くのクリニックが処方している薬で国内製や海外製のものがあり承認されたもののみ扱いクリニックで処方してもらうようにしましょう。特に輸入品で安い薬がありますが効果が認められなかったり副作用に対して対処ができないなどデメリットが多くありますので注意が必要です。

● 外用薬(ミノキシジル)

ミノキシジルは血管拡張作用で毛包に栄養を届け、発毛促進効果があります。市販外用タイプが主導ですが、医療用内服タイプも存在。副作用には頭皮刺激があります。

近年ではフィナステリドとミノキシジルを配合した合剤タイプのものが主流になりつつあります。

● 注入治療(メソセラピー/HARG療法)

毛髪成長因子を頭皮に直接注入する専門治療です。高額ですが発毛効果が高く、皮膚科やAGA専門医院で複数回行われます。

価格的には外用薬や内服薬に比べて少し割高になりますが効果が高いので治療期間の短さなどから人気があります。

● 植毛

自分の髪の毛を移植するため、より自然に自分の頭皮に合う仕上がりになります。他の治療方法と比べて価格は高めです。

● その他生活習慣改善など

栄養バランス・睡眠・ストレス軽減は薬剤効果の底上げに不可欠です。

AGA治療における薬剤の役割と効果

薬剤名作用機序効果の目安
フィナステリド5αリダクターゼII型阻害、DHT生成を抑制3〜6ヶ月で抜け毛減少
デュタステリドI・II型両方阻害でフィナステリドより強力早期・重度に有効
ミノキシジル(外用)頭皮の血流促進、毛包維持発毛促進、毛量回復
ミノキシジル(内服)より強力な発毛効果AGA進行重度に有効

一般的に内服薬と外用薬の併用が効果的です。専門的アプローチを加えればより高い発毛効果も期待できます。

近年ではフィナステリドとミノキシジルの合剤を処方するクリニックも増えており、よりAGA治療の効果を高める効果も期待されています。

AGA治療の期間と期待できる効果

治療の進行を判断する流れ:

  • 開始〜3ヶ月:抜け毛減少の兆しが見られる
  • 4〜6ヶ月:髪の太さ・ボリューム回復
  • 6ヶ月以降:毛髪密度の改善、継続で安定維持可能

効果には個人差がありますが、最低6ヶ月、できれば1年以上継続することが推奨されます。早期開始した方が効率が良く、進行が遅い症例も安定しやすくなります。

AGA治療にかかる費用の相場

治療法月額相場(目安)
フィナステリド内服約1,000(※)〜10,000円
※各社初回キャンペーン等の適用で
ミノキシジル外用約3,000〜7,000円
※各社初回キャンペーン等の適用で
デュタステリド内服約3,000〜10,000円
※各社初回キャンペーン等の適用で
注入治療(メソセラピー)10,000〜30,000円/回
植毛治療(自毛植毛)約30万〜100万円(部位・本数による)

治療プランや頻度で変動しますが、最適な治療を選ぶことでコストパフォーマンスが上がります。

AGA治療費用はクリニック各社で異なりますが、比較的フィナステリドはAGA治療薬の中では安価です。特に初回のキャンペーン、長期利用の特典などにより安価に設定されていることが多いので、長期的にAGA治療を行うならキャンペーンの適用を受けることでお得にAGA治療を続けることができます。

ミノキシジルなど発毛効果の高いAGA治療薬は高価ではありますが、フィナステリドとの合剤を処方するオンライン診療を専門に行うクリニックで安価に服用することができます。

メソセラピーや植毛については実店舗を構える大手クリニックで治療することができ、効果はかなり期待できるものの費用は高額となっています。

AGA治療のメリットとデメリット

✔ メリット

  • 抜け毛予防と発毛促進で自信回復
  • 早期治療で進行を遅らせられる
  • 生活の質(QOL)が改善する

✘ デメリット

  • 継続が必要であり費用・副作用のリスクあり
  • 効果を感じるまで時間がかかる
  • 注入・植毛など高額治療は負担が大きい

女性のAGA(女性型脱毛症)の症状とは

「最近、分け目が目立つようになった」「髪のボリュームが減ってきた」と感じたら、女性にも起こるAGA(FAGA:女性型脱毛症)の可能性があります。

近年、女性も薄毛に悩む方が増えています。女性は特に見た目の年齢を気にされる方が多く、髪の毛のボリュームや艷やかな髪質なども大きく影響します。美意識の高まりから女性でAGA治療を行う患者数は年々増えています。

女性のAGA(FAGA)は、加齢やホルモンバランスの変化などが原因で、髪のボリュームが全体的に減少する脱毛症です。

男性と異なり、前頭部の生え際が後退することは少なく、頭頂部や分け目を中心に髪が細くなり、地肌が透けて見えるようになります。症状はゆっくり進行し、40代以降に目立ち始めるケースが多いですが、20~30代でも発症することがあります。早期のケアや治療が進行を抑える鍵になります。

女性のAGA(FAGA)治療のポイント

女性のAGAは、加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレス、栄養不足などが複合的に影響して起こる脱毛症です。ここでは、女性のAGA治療で押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

  • ホルモンバランスの調整
    女性のAGAはホルモンの影響が大きいため、ホルモンバランスを整える内服薬が処方されることがあります。
  • フィナステリドやミノキシジル外用薬の活用
    予防薬のフィナステリド、そして頭皮の血行を促進するミノキシジルは、発毛をサポートする代表的な成分。女性にも使用可能な外用薬が市販・処方されています。
  • 栄養状態の改善
    鉄分や亜鉛、ビタミンなどの栄養素が不足すると、髪の成長に悪影響が。サプリメントやバランスの良い食事で補いましょう。
  • ストレスと生活習慣の見直し
    ストレスや睡眠不足は抜け毛を加速させる要因。規則正しい生活と心のケアも治療の一部です。

上記の改善方法で対策するだけでなく、専門クリニックでの診断と経過観察もポイントになります。

自己判断では見極めが難しいFAGA。専門クリニックで診察を受け、適切な治療プランを立てましょう。女性のAGAは、早期の発見と適切なケアによって進行を抑えることが可能です。髪の悩みをひとりで抱え込まず、医師や専門家に相談することが改善への第一歩。生活習慣の見直しや栄養補給とあわせて、継続的な治療で健やかな髪を取り戻しましょう。

AGA治療の流れを解説

AGA 治療の流れ

AGA治療は「何から始めればいいの?」「どう進むの?」と不安を感じる方も多いはずです。ここでは、AGA治療の一般的な流れをステップごとに解説します。

① 予約(オンラインまたは電話)
  ↓
② カウンセリング(無料 or 有料)
  ↓
③ 医師の診察(問診・視診・血液検査)
  ↓
④ 治療法の提案(内服薬/外用薬/注入など)
  ↓
⑤ 治療開始(処方または施術)
  ↓
⑥ 経過観察(1~3ヶ月ごとの診察)
  ↓
⑦ 治療継続またはプラン見直し

① 予約(オンラインまたは電話)

まずはクリニックのカウンセリング予約を行います。多くのAGA専門クリニックでは、Web予約が24時間対応で可能です。最近ではオンライン診療も普及しており、スマホからの予約・診療も増えています。

② カウンセリング(無料 or 有料)

専門スタッフまたはカウンセラーによるカウンセリングが行われます。
ここでは以下のような内容を確認されます。

  • 薄毛の悩み・気になっている部位
  • 家族歴(遺伝傾向)
  • 生活習慣・服用薬など

オンライン診療であればほとんどのクリニックが無料で対応してくれるため、気軽に相談が可能です。

対面診療の場合は初診料がかかりますので注意してください。

③ 医師の診察(問診・視診・血液検査)

カウンセリングの内容をもとに、医師が実際に頭皮の状態を確認します。

さらに、血液検査を行い、肝機能やホルモン値の確認を行うこともあります。これは、内服薬の副作用リスクを事前に把握するためです。

オンライン診療でも医師が頭皮を確認しますが、基本的に事前に頭皮を写真を送るなどして面談の前に確認してもらうのが通常です。

問診についてはAGA全般に関わる副作用や期待するAGA治療について確認したうえで、希望に合う薬の提案を行います。

④ 治療法の提案(内服薬/外用薬/注入など)

診察結果をもとに、最適な治療法が提案されます。主な治療法は以下の通りです:

  • フィナステリド・デュタステリド(抜け毛の予防)
  • ミノキシジル(発毛の促進)
  • 注入治療(メソセラピー・HARG療法など)

治療内容と併せて、費用・通院頻度・リスクについても丁寧に説明があります。

オンライン診療の場合は注入治療や植毛は行えませんので、クリニック実店舗への通院が必要なります。

⑤ 治療開始(処方または施術)

治療プランに同意すれば、すぐに初回の治療が始まります。

  • 内服薬・外用薬はその場で処方される場合が多いです。
  • 注入療法や機器を用いた施術は、別日に実施されるケースもあります。

オンライン診療の場合、薬は自宅に郵送されます。対面診療でもその日のうちに薬を受け取ることができますので、診療当日より治療を開始できます。

⑥ 経過観察(1~3ヶ月ごとの診察)

AGA治療は最低でも3〜6ヶ月の継続が必要とされ、定期的な経過観察が重要です。

  • 抜け毛の減少
  • 毛髪の太さや密度の変化
  • 副作用の有無

などをチェックしながら、治療効果を見極めていきます。

AGA治療の効果だけでなく副作用についても問題がないか確認しておきましょう。

⑦ 治療継続またはプラン見直し

経過によっては、治療法の追加や変更(例:ミノキシジルの併用など)が行われます。発毛の効果が確認できれば、その後は維持治療(維持用薬の処方)に切り替えるケースもあります。

維持治療についてはフィナステリドやデュタステリドなどの予防薬を中心に長期的に服用していくことになり、薬の量を調整しながら継続的に治療を続けることになります。

様々な薄毛対策

以下の手法をAGA治療と並行して対策することでより効果的な薄毛対策も可能です。

いずれの手法もAGA治療薬の効果が現れてきたら取りやめることもできますので、AGA治療に時間がかかる当初の半年間程度、AGA治療と併用するのも良いでしょう。

頭皮アートメイク

頭皮アートメイク(SMP: Scalp Micro Pigmentation)は、専用の針と色素を使って頭皮に極細の点や線を描き、髪があるように見せる施術です。

毛が少ない部分や分け目、つむじの地肌を目立ちにくくすることで、薄毛の印象を和らげる効果があります。

発毛はしないものの、見た目のカバー力が高く、ヘアスタイルの自由度も増すのが特徴です。

外科的治療に抵抗がある方や、即時の見た目改善を求める方に適しています。定期的なメンテナンスが必要です。

AGA外用薬との併用については医師へ相談してください。

増毛パウダー・スプレー

髪に付着してボリュームを演出する微粉末やスプレータイプの製品です。一時的だが、自然な仕上がりでイベント時などに便利。

AGA外用薬と併用する際は医師に相談するようにしてください。

ウィッグ・ヘアピース

部分的または全体をカバーでき、装着も簡単。自然な毛流れで、仕事や日常生活にも違和感なく使える製品も多いです。

AGA外用薬の使用に関係なく利用できますので、AGA治療を行いつつ自然な形で薄毛対策が可能です。

AGA治療のよくある質問回答

Q1. 治療開始に年齢・条件制限はありますか?

  • 特にありませんが、20代〜50代で発症が多く、早期治療ならではの恩恵があります。

Q2. 副作用はありますか?

  • 内服薬では性機能や肝機能に影響が出るケースがあります。外用薬で頭皮刺激が起こることも。

Q3. 治療はオンラインで可能?

  • 初診を含めオンライン対応のクリニックが増えています。対面診療も対応しているところであれば初回だけしっかり診てもらって、薬を追加するときはオンライン診療にするなど状況に合わせて選択することをおすすめします。

Q4. 治療を止めたらどうなる?

  • ヘアサイクルが元に戻り、数ヶ月で脱毛が再開するため継続が推奨されます。

Q5. AGA治療薬の国内製と海外製に違いはある?

  • AGA治療薬の国内製と海外製の違いは、主に品質管理と価格です。国内製は安全性が高く専門機関から認証を受けているなど信頼性がありますが高価な傾向があります。海外製は価格が安い反面、品質や成分のばらつきがある場合があります。

まとめ

  • AGAは進行性の脱毛症のため、早期の診断と開始が効果の鍵
  • 内服+外用+生活改善の併用が基本で、症状に応じてメソセラピーや植毛などの専門治療も選択肢に
  • 効果を実感するまで最低3-6ヶ月、理想的には1年以上の継続が必要
  • 費用面、副作用などを理解したうえで、信頼できる医師と相談しながら治療を進めましょう

専門クリニックの無料カウンセリングやオンライン診療を活用し、自分に合った治療プランを見つけることをおすすめします。

オンライン診療を活用すれば薬は安価に処方できるため、長期的に治療を行うならオンライン診療に対応したクリニックが良いでしょう。医師による診察や副作用の相談を定期的に行いたい場合は対面診療とオンライン診療の療法に対応するAGAクリニックを検討してみてください。

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